ミッキー吉野&タケカワユキヒデ Special Talk 11

はじめに

ゴダイゴは1976年4月1日、シングル「僕のサラダガール」でデビュー。
78年に「ガンダーラ」、「モンキー・マジック」、79年に「ビューティフル・ネーム」、「銀河鉄道999」、「ホーリー&ブライト」などヒット曲を放つと、1980年には海外に挑み、ネパール王立競技場で6万人を集めた野外コンサート、ロサンゼルスの市政200年祭、ロックバンドとして初の中国公演(第一次中日友好音楽祭)を成功させた。85年に活動を休止したものの、99年の期限付き再結成を経て、2006年に恒久的再始動を決定、今日に至るまで活動してきた。
2026年のデビュー50周年を前に、ミッキー吉野、タケカワユキヒデの両氏に、74年の出会いから50年の歴史、そして未来を語ってもらった。

第11回

――『IN YOU勧進帳』に続いて、1981年5月にはFM東京(現:TOKYO FM)で生放送されたスタジオライブ番組『DENON LIVE CONCERT』で、「DESIRE」、「FUTURE’S CALLING」といったかなりプログレッシブで意欲的な楽曲も披露されました。続く6作目のオリジナル・アルバム『M.O.R.』(9月リリース)はポップなサウンドを突き詰めた楽曲が並んだ作品となりました。当時の状況を振り返ってみていかがでしょうか。

ミッキー:明らかに時代の空気やルールが変わってきていたのを肌で感じていたんですけど、当時の自分たちの意識と、周りからゴダイゴに求められるものとの間にズレが生じてきた時代だったような気がします。プロデューサーやレコード会社の人たちとも色々と話し合いながら作っていったんですが、彼らからは「何をやっているのか良くわからない」と言われるぐらいでした。

――それまでのゴダイゴのアルバム作品は、テーマに基づいたコンセプト・アルバムという要素が色濃くあったように思うんですが、『M.O.R.』はポップな作品集という趣のアルバムでした。

ミッキー:それはどういうことかと言うと、全米TOP40のヒットチャートを自分たちのオリジナル曲で自由に作ってみようという発想だったんです。「ミドル・オブ・ザ・ロード(Middle Of the Road)」の頭文字をとって『M.O.R.』…道の真ん中を行く、つまりポップスの王道を追求していくというイメージですね。サウンド面では“シャープネス”ということを意識しました。もちろん本物のピアノも弾いているんですが、僕はほとんどの曲で音が軽い打弦式電気ピアノ(YAMAHA・CP-70)を弾いていました。そのほうがより速いアタックで音に勢いが出るんです。「ア・ハンドレッド・イヤーズ・フロム・ナウ」、「イッツ・オンリー・マネー」あたりはゴダイゴにとっての新しい方向性を模索した楽曲でした。

タケカワ:僕は『M.O.R.』の意味が良くわからないという感じだったんですが、いろいろと調べて自分なりに突き詰めていきました。だからもう結局、ポップスということでいいだろう、っていうところに落ち着いたんですけどね。本当はあそこで画策していたことがあって…自分が歌う曲を全部、日本語版のものを作りたかったんですよ。どうせ何曲も日本語で録音するんだから、全部英語の歌のアルバムと、全部日本語のアルバムで2枚同時に出せばいいじゃないか、っていうのが私の個人的な目論見でした。それで日本語でも結構な曲数を歌ったんだけど、ことごとくNGになりまして(笑)。当時のプロデューサーがあまり日本語が好きじゃないと。いや、好きじゃないというよりニュアンスを感じられないっていうのかな…そういうのもありましたね。

――シングルカットされた「愛の3(スリー)イヤーズ」、「ナッシング」の2曲のほかに「M.O.R.」、「ロンリネス」、「ティアーズ」も日本語版でレコーディングが行われていたようですね。

タケカワ:シングルの2曲は山川啓介さん(銀河鉄道999)、伊藤アキラさん(ビューティフル・ネーム)がそれぞれ日本語詞を書いてくださっているんですが、「M.O.R.」と「ロンリネス」は僕が書いています。もう、それは自分で書いたほうが早いですからね。意味主体で日本語詞が来ると、どうしてもメロディが壊れちゃうんです。それなら自分で歌詞も書いてしまった方がまだ壊れないだろうと。ただ、その目論見…タケカワ作戦は見事に頓挫しまして(笑)。

――この時代にタケカワさんがゴダイゴ作品の日本語詞を手掛けられていたというのは意外でした。のちにリリースされたタケカワさんのソロ・アルバム『白い街角』(1983年1月リリース)には、「M.O.R.」では英語だった「ピアノ・ブルー」の日本語セルフカバーがミッキーさんの編曲で収録されていますが、この時の反動があったんでしょうか?

タケカワ:いや、それは違いますね。反動ということはまったくないんです。ただ、世に出ないのはちょっともったいないなあ…って思ったぐらいですね。

(第12回に続く)

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