ミッキー吉野&タケカワユキヒデ Special Talk 13
はじめに
ゴダイゴは1976年4月1日、シングル「僕のサラダガール」でデビュー。
78年に「ガンダーラ」、「モンキー・マジック」、79年に「ビューティフル・ネーム」、「銀河鉄道999」、「ホーリー&ブライト」などヒット曲を放つと、1980年には海外に挑み、ネパール王立競技場で6万人を集めた野外コンサート、ロサンゼルスの市政200年祭、ロックバンドとして初の中国公演(第一次中日友好音楽祭)を成功させた。85年に活動を休止したものの、99年の期限付き再結成を経て、2006年に恒久的再始動を決定、今日に至るまで活動してきた。
2026年のデビュー50周年を前に、ミッキー吉野、タケカワユキヒデの両氏に、74年の出会いから50年の歴史、そして未来を語ってもらった。

第13回
――『ワン・ディメンション・マン』は、意欲的な音作りでリスナーに衝撃を与えた作品でしたが、結果的にゴダイゴが継続的に活動してきた時代において、最後のオリジナルアルバムとなってしまいました。
ミッキー:作品をつくったり、演奏を好き勝手にやることも大事なんですけど、それもある程度続けていくと、正直なところストレスになってしまう部分もありました。80年代の幕開けに海外での活動が成功したあとに、ゴダイゴとしての新しい目標を見失ってしまったのかもしれませんね。物づくりというのは自分で面白いな、と思えるかどうかでクオリティが決まってしまうんです。良いものが作れないなら、少しやめようということで、途中で解散…というか、誰かの希望で「インターミッション」ということになっていったんです。
――1985年にゴダイゴは活動休止を宣言、その模様を収録したライブアルバムのタイトルが「インターミッション」(休憩、幕間)でした。同年春のコンサートがファイナルライブと銘打たれていましたが、あくまで解散ではなく活動休止というニュアンスが当時のメディアでは強調されていた印象だったのですが、実際はメンバーのみなさんの中では「解散」という意思は固かったのでしょうか。
タケカワ:ミッキーも僕もそのつもりでしたね。だから今となっては当時のレコード会社の方がよくぞ「インターミッション」というタイトルを付けてくれたなと思いますね。ちょっと間が長かったけれど、実際にゴダイゴとしての活動は再開しましたからね。
ミッキー:解散と伝えたのに「インターミッション」というタイトルが付いて、当時としては不思議に思っていました。当時のレコード会社に、僕らよりも想いの強い方がいたんだろうと思います。
――ライブアルバム『インターミッション』には、12インチ・シングルのフォーマットで「グレート・シー・フロウズ」、「明日を夢見て」という2曲の新曲が追加収録されていました。これらの楽曲はどのタイミングで制作されたのでしょうか。
ミッキー:あれはもう1985年に入ってからですね。それこそ解散するということが決まった上で録音していますね。浜松町の軍艦ビルと呼ばれた大きな建物の中に当時あったMEDIABUMというスタジオでレコーディングしました。
タケカワ:「グレート・シー・フロウズ」は、最後のコンサートで新曲を演奏しようということで書いたんですけど、実はあそこまでいい曲が書けるとは思っていなかった(笑)。『ワン・ディメンション・マン』までコンピューターでハードな曲をずっと作ってきて、それで年が明けて、今度はコンピューターがどうかとかはまったく関係なく、自由に書けたんですよね、あの2曲は。そういう意味では、解放されているんですよね、きっとね。何もないところからパーッと曲を書いているんです。
――作詞も久々に奈良橋陽子さんが担当していて、まさしくゴダイゴからファンに向けたラスト・メッセージにふさわしい、バンド本来の力強さが伝わってくる楽曲でした。
ミッキー:あの2曲は良かったですね。タケは作曲で、アレンジと演奏のほうはこっちで別で作業していました。「グレート・シー・フロウズ」はタイトルも良かったし、のちに出た美空ひばりさんの「川の流れのように」と同じような世界観を表現していたような気がします。松風(鉱一)さんのサックスもすごく良かった。あとタケが当時こだわっていたのはメロディをきっちり歌うんじゃなく、喋るように歌いたかったんだよね。
タケカワ:そうだね。基本のメロディはもちろんあるんだけど、実はそれをちゃんとそういう風に歌ってないんですよね。もう今ではみんなそういう歌い方になってますよね。むしろ譜面通りにやって歌っていく人って少なくなってきてるんじゃないかな。例えばミック・ジャガーなんかはずっと最初からやっていたと思うんですけども、当時の僕は時代の流れの中でそれを感じていたと思うんです。そういう風に時代が変わって、どんな人もそっちの方へ動き始めた時に「かっこよくやりたいな」って心から強く思った曲でしたね。
――「明日を夢見て」は冒頭からのブルージーな雰囲気から一転して、後半から突如テンポアップ、エンディングでは怒涛のギター・ソロで締めくくられるという、ものすごい展開のアレンジでした。
タケカワ:浅野さんが最後まで弾いてないっていうね(笑)。もう最後だから、そういう感じだったんじゃないですかね。きっちり行くんじゃなくて、やりっぱなしで、結構アヴァンギャルドな終わり方をしているんですよね。僕も「これで最後だ」って必要以上に意識していたらとてもじゃないけど歌えなかったと思います。この曲も格好良くできていて、未だに大好きな曲ですね。
(第14回に続く)

